フルートメーカー探訪

「アトリエ ヤナギサワ」・「笛工房 アイハラ」

1月3日にパールフルートの溝口さんの車に乗せていただき、フルートメーカーの「アトリエ ヤナギサワ」と「笛工房 アイハラ」に行ってきました。
どちらも小規模経営のフルートメーカーですが、フルート作りの熱い情熱をヒシヒシと感じました。
柳澤さんはフルートのヘッドスクリューに水晶やクリスタル・象牙などを使って柔らかい響きのフルートを製作されています。

DSC_0005 DSC_0007柳澤さんの作られたフルートや象牙(しっかり許可を取って仕入れています)の頭部管。
ドイツの名工・ヘルムート・ハンミッヒのお話などとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
また、柳澤さんのフルートに対する情熱もものすごく感じられ、私たちもものすごい刺激を受けました。
昼食にとても美味しいインドカレーを柳澤ご夫妻にご馳走になり(本当にご馳走さまでした!!)その後、「笛工房アイハラ」へ出発。
「アトリエヤナギサワ」も「笛工房アイハラ」同じ千葉県ですが車で1時間以上離れています。

午後4時過ぎに「笛工房アイハラ」に到着!!
DSC_0014なんか変じゃありませんか、このフルート?
足部間のカップはこう並んでましたっけ?
相原さん曰く、普通のフルートの足部管だと最低音のドの音やシの音は後ろに響くということです。
上のようにカップを並べると音は前に飛ぶそうです。セットも上の写真のようにセットするそうです。
でもこのセットだと最低音を押さえるとリングキーだと薬指で押さえるキーがが上手く塞がるのが至難の技でした。
ちょっと改良の余地ありですね。

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これはB(B♭)足部管です。

相原さんの工房は面白い楽器のアイデアが集まっています。実に面白いです。
頭部管のリッププレートの素材も様々見せていただきました。
フルートの更なる可能性を感じました。

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最後に素来がAs(A♭)管を持ち、石井がダブルコントラバスフルートを持ち、相原さんが素晴らしく純粋な音の出る石を持って記念撮影です。

相原さんのフルートに対する情熱も本当に素晴らしく、大いに刺激を受けました。

日本のフルート製作者のフルート作りに対する情熱は本当に熱く、素晴らしいです。
石井も素来も、ヴィンテージフルートが大好きですが、それは懐古趣味ではなく、今の楽器より昔の楽器の方が吹きやすいし、フルートの繊細な色の変化、響きの変化に富み魅力的なので、どうしてもヴィンテージに目がいってしまいます。
一方、日本のフルート製作者たちの技術・能力はかなり高度です。私たちは、色々なフルート工房を訪ねる度に、もっと繊細な音色に富んだフルートは作れないかと注文を出しています。かなり、素晴らしい楽器を作るメーカーも増えてまいりました。
フルート教室ファルベの考えは、「フルートの音は美しくなければならない!!」ということです。
私たちは、フルートに要求するものは、そばで大きな音が出る楽器ではなく、どこまでも遠くに響くフルートです。響き豊かなフルートです。

この日本の素晴らしいフルート製作者とともに、良い楽器を作るのはフルーティストの音楽にかける情熱と音楽に対する深い造詣だと思います。

安易に鳴る楽器を求めず、心に深く浸みる響きのある暖かい演奏を求めて、これからもフルーティストとフルート製作者の良い関係がもっと深くなることを改めて考える良い探訪でした。