石井講師の憧れのフルーティスト
皆さん、マルセル・モイーズ(Marcel Moyse, 1889年5月17日 – 1984年11月1日)というフルーティストをご存知ですか?
私(石井)にとって一番影響を与えられたフルーティストは何と言ってもマルセル・モイーズです。最初は勿論、レコードによる演奏を聞きました。
村松楽器が発売したマルセル・モイーズ「フルートリサイタル」というレコードです。このレコードを中学時代に一緒にフルートを勉強していた友達から勧められました。始めはよく判らず、その友達はに「ここはおかしくない?」と言おうと思って改めて聴き直した時に衝撃が走りました。全ての表現を見事に演奏しているこの衝撃は今でも忘れません。
そのレコードの最初の曲がドビュッシー作曲Syrinxです。
村松楽器から発売されたレコードは、アメリカのレーベルがSPレコードから復興したレコードを日本のメーカーが再編集したものですが、お聞き頂いたものは
オリジナルSPレコードを私の蓄音機から録音したものです。
我が家の蓄音機はこれです。
お聞き頂ければその素晴らしさはお判り頂けたと思います。
正に美しいというのはこのような演奏を言うのではないでしょうか?
演奏というのは、聞いていて何か自分の最も大切な何かを思い起こさせてくれたり、希望を感じられたりするものではないでしょうか?
もう1曲、未だにCDになっていないタファネル作曲の「アンダンテ・パストラーレとスケルツェッティーノ」の内、アンダンテ・パストラーレはCDに
なっていますので、スケルツェッティーノをお聴きくださいね!!
モイーズは2度日本に来日されました。1度目は彼が84歳の時です。その時、講習会で彼が出した音は今でもしっかり残っています。それもいきなりソノリテを吹き出しました。とにかく、後にも先にもこんなに内容のある音を聴いた事はありません。とても言葉では言い表せません。
2度目に彼が88歳で来日した時にはレッスンも受ける事が出来ました。一生の宝に思っています。
皆様にモイーズの素晴らしさの何十分の一でもお伝えできるよう演奏させて頂きますので、私の演奏も是非聴いて頂きたいと思います。